デザインをクライアント提案した後は、クライアントからデザインへのフィードバック(校正)がかえってきます。そこで今回は、デザイン修正時のポイントや案件進行上で押さえておくとよいことなどをまとめました。
デザインのFIXがとりやすくなるためのポイントなどもまとめていますので、デザイン修正に役立ててくださいね!ちなみの今回は、記事を前後編に分けて、デザイン制作からFIXまでの流れにまとめ、要所でポイントを書いています。
- 後編|このページ
デザイン提案の後の修正対応のコツや、案件進行時の注意点などを解説しています。 - 前編
デザイン制作にあたってのルールや下準備、デザインの基本などを解説しています。
→ 前編を読みたい方はこちら
フィードバック(校正)で重要なこと|修正対応の基礎
フィードバック(校正)の意図を理解する
フィードバック(校正)があった際に1番最初にしなければいけないことは、修正内容を深く理解することです。なぜ理解することが必要なのかというと、修正指示には以下のようなものがあり、それに応じて修正する内容が変わってくるためです。
では、具体的にはどのような修正内容があるのかですが、
- 修正指示のまま、修正すればよいもの
- 指示内容を的確に捉え、全体のバランスや調和を図りつつ、調整しなければいけないもの
- 修正指示を基に、更にイメージを膨らませて再提案が必要なもの
などがあります。上記の選別と対応イメージをしないまま、デザインの修正を行ってしまうと、見当違いな対応となってしまい、修正する意味がありません。
なので、修正指示を理解しないままデザインに触れるのは、絶対にNGです!
よく現場で起きているのは、修正指示の内容を理解しないまま修正に着手するパターン。
この状態で着手すれば、フィードバックに対する理解が進んでいないため、フィードバックの内容がデザインへ正しく反映されておらず、結果「何度も同じ箇所に対して、修正対応を行う」といったことが起こります。
そのようなことが起きないように、フィードバックがあった場合は
- まずは、修正指示の内容を確認する
- 次に、修正指示の内容を正しく、そして深く理解する
- どのように修正するのかをイメージする
ことが大事です。必ず、上記の全ての準備ができてから、デザインの修正に着手しましょう。
ちなみに、フィードバックを反映する際のポイントは、理解したフィードバックを基に『的確なデザイン修正』を加えていくことです。
修正の指示を受けたら、それに関わる全てを修正する
修正の指示を受けた場合は、指示を受けた1ヶ所だけを修正するだけでは、対応が不十分です。
しっかりとデザインを調整するための基本は、デザインの整合性をとることです。
つまりは、修正指示を受けた箇所と同じデザインになっているものを一緒に調整することが重要です。
たとえば、修正には以下のようなものがあります。
- 余白調整
- カラー調整
- サイズ調整
上記の修正指示を受けた箇所に関わる全てに対して、整合性を保ちつつ、修正を加えるようにしましょう。これができるようになれば、クライアントや社内からの信頼度向上に必ずつながります。
修正しても、全体的なバランス・デザイン調和がとれているか
デザインの修正を加えたことで時々起こるのが、調整指示を受けた箇所とそれ以外の箇所とのバランスが崩れてしまうことです。この点に気付き、全体のバランスやデザインの調和を図ることが、デザインを修正する上で大事なことです。
修正の指示を全て反映できているか、最終チェックをする
修正が終わったら、『必ず自分で最終チェックする』ことが大切です。
なぜこの工程が必要なのかというと、『対応漏れはないか、認識違いはないか』を確認する必要があるからです。そのため、この工程は絶対に省くことなく『くまなく最終の確認』をしましょう。
デザイナーの育成を担当したことがある私の経験談をお話すると、この点ができていない・理解していないデザイナーも多く、よく指導をしていました。それでも、なかなか直らなかった点でもありました。『自分で最終チェックをする』ということは、簡単なようでそれだけ難しい工程なのです。
では、具体的にどのようなパターンが起こっていたかというと…
- 最終チェックができない人の特徴
初心者や経験不足のデザイナー。
経験が豊富でも、人からのアドバイスを聞き入れることができないデザイナー。
- どのような行動をとるのか
基本的に、最終チェックは『他者やクライアントへ任せる』というスタンスで、自分で最後にチェックをしないまま、クライアントや社内チェックにまわします。
- 結果、どうなるのか
修正指示が反映できていない箇所が多数あり、再度フィードバック(校正)がかえってきました。それを何度も何度も繰り返します。
- なぜそれではいけないのか
フィードバック(校正)を何度も繰り返してはいけない理由には、以下などがあります。
・クライアントの時間を奪う
・デザイナーの時間を更に奪う
・それに関わる、ディレクターの工数を奪う
・次工程のエンジニアが、納期を間に合わすためにマキで実装する必要が出てくる
この工程が普通にできるようにならなければ、『プロのWEBデザイナー』にはなれません。他者やクライアントを思いやれないデザイナーは、いつまでたっても三流のままです。
ポイント|案件進行時の注意事項
ファイルの整理をきちんとしましょう
デザインの履歴をそのまま煩雑にフォルダの中へ格納する人がいますが、それは絶対にNGです。その理由は、どのデータがどこにあるのか、データを受け取った相手が探さなければいけないという手間が生まれてしまうからです。
常に、一緒に仕事をする仲間やクライアントの気持ちを考えた行動をとっていきましょう。
クライアントや社内チェックなどで提出したデザインデータは、ログとして残しておきましょう。
クライアントや社内チェックなどで、デザインを確認してもらう機会が必ずあるのですが、その際は、その確認してもらったデザインデータを、ログとして分かりやすくストックしておくようにしましょう。
なぜログが必要なのかというと、デザイン提案を進めるにあたり「あの時の、あのデザインが良かった」などと言われることがあるため、そのような時に、デザインを提示できる状態にしておく必要があるためです。
- 案件でデザインを制作するにあたりよくあるのがパターン
1つのデザインデータへ、ひたすら上書きを繰り返すこと。
これをやってしまうと、ログを辿れず、どこがどのように変わったのかが分からなくなる場合がほとんどです。そのようなことが起こらないように、又、自分へのリスクヘッジとしてログは残しておきましょう。
例)top_210723 → 解説)ページ名_年月日
最後に|プロのWEBデザイナーとは
もし、「プロ」のデザイナーについて定義するならば
- 納期を守れる
- クライアントを知ろうとする力がある
- クライアント意向をくみ取ろうとする力
- 常にデザインのトレンドをおさえている
- カラーのセンスがあり、カラーの持つ特性を熟知している
- アニメーションやモーションに詳しい
WEBデザイナーと名乗る方は山ほどいるのですが、「プロのWEBデザイナー」に出会えることは、あまりありません。では、どのような人が「プロのWEBデザイナー」なのか…。それは、
- WEBデザインのトレンドを常に押さえ、提案してくれる
- UIやモーションについて勉強し、理解しているので、それがデザインに反映されている
- 常に、クライアントやユーザーの視点で物事を捉え、考えることができる
- 納期を絶対に守るが、デザインに抜かりがない
- どんな案件でも、仕上げてくるデザインの水準が高い
- フィードバックに対して的確に理解した上で対応し、ベストな案を提示してくれる
- 打ち合わせであがった内容やフィードバックがきちんと反映されており、対応漏れが全くない
- クライアントやディレクターの迷いや悩みを理解し、それを解決したデザインに仕上げてくれる
つまりは、かゆいところ手が届くのが「本物のWEBデザイナー」です。
さすがにこのレベルのデザイナーに出会えることはあまりないのですが、このようなデザイナーに出会えた時は、案件が早く終わり、デザインに厳しいクライアントでも容易にローンチできます。
是非、これを読んでいる方には『プロのWEBデザイナー』になっていただきたいです!